Reserved
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『うわっっ カッコイイ〜〜〜〜〜///』

「……ホントにカッコイイ」
「……だから、そう言ってくれるのは、スゴク嬉しいんだけど、さ……。本人がココにいること、忘れないでくれる?」

 テレビ画面に映る、目がハートになっている女の子の熱い呟きに同意するように、ほぉ…と艶っぽい感嘆の溜息を零すフランソワーズに、ジョーは微かに頬を染めながら苦笑してみせる。

「え? あ……////////」

 以前と――彼の密着取材の様子が生放送された当日とまったく同じ会話を繰り返してしまっていることに気づいたフランソワーズは、かあぁぁぁっとものの見事に真っ赤に染まり、羽織っている彼のシャツの襟元をぎゅっと掴んで、素肌が彼の目に映るのを防ぐ。


 

「それも……今さら、なんだけど? それとも、誘ってる?」

 あんなに激しく愛し合った後(翌朝)だというのに、まるで初めて肌を晒すかのように恥じらい、懸命に隠そうとする彼女の初々しさが可愛過ぎて、ジョーは彼女の柔らかな亜麻色の髪に頬を寄せ、そしてキスを落とす。

 そんな仕草こそが自分を焚き付け虜にするということを、彼女はまったく気づいていないのだろう。

「……っ//// いっ 今は、だめ…っ」

 膝裏を支えていた彼の大きな手が、明かな目的を持って滑りなぞるのを、フランソワーズは慌てて止める。

「どうして、だい?」
「だ、だって……、まだテレビ、終わってない、からっ」
「…………。」

 きっ、と真剣な表情できっぱり言い切るフランソワーズに、ジョーは悪戯心に火がついた手をぴたりと止め、恨めしげにテレビを見遣る。

 画面にはマシンテストに励む自分の姿が……、レーシングスーツの上半身を脱ぎ、汗を拭っている自分がでかでかと映し出されている。無論、レーシングスーツの下にはアンダーウェアを着ているので、裸体(上半身ぽん///な姿)が映ってるワケではない。にも拘わらず、その様子を遠くから盗み見ている女の子が、「うわっ すごいイイ身体〜っ」だの、「目の保養〜〜///」、だの「ヤバいっ 抱かれたい〜〜っっ」だのと理解不能な黄色い声を上げている。

「…………同じ映像をわざわざ目覚ましをかけてまで観る必要はないと思うけど?」
「同じじゃないわ! 今日のは、この前放送されなかった未公開映像もあるものっ」
「…………未公開映像、ねぇ」

 ジョーはやれやれと溜息を零す。

 何でも、この番組で以前放送された『島村ジョー密着取材』の反響が凄まじく、急遽再放送することになったらしい。
 しかも、『前回の放送ではカットされた未公開映像も"たっぷり"お届け!』と煽り文句(宣伝)がつき―――今回もフランソワーズはしっかり録画予約をした上、生放送を観るため、さらにしっかり目覚ましをセットしていたのだ。

 とは言え、未公開部分は今のトコロ、マシンテスト時の映像と、インタビュアーの女の子が気を引こうとあれこれと果敢に挑み、尽く玉砕する映像のみだ。そしてこの後も、インタビュー部分は前回ほぼすべてが放送されているから…――

「大した映像(もの)はナイと思うけど……」

 今日の放送を楽しみに待ち、きらきらした目でテレビを食い入るように観ている彼女には申し訳ないが、彼女の期待に応えられるような"未公開映像"があるとは到底思えず、ジョーは気まずそうに告げる。

 しかし、フランソワーズはにっこりと微笑み、一点の曇りもない瞳で答える。

「あら、もうすでに充分貴重な"未公開映像"ばかりだわ」
「あれが?」
「ええ。ダビングして厳重保管しておかなきゃ♪」
「………。」

 冗談や茶化すためではなく、彼女が本気で言っていることがありありとわかり、ジョーは困ったように笑む。
 自分の映像を楽しみ、大切にしてくれるのは嬉しいが、どうしても恥ずかしさの方が先に立つ。できればダビングなんてせず、きれいさっぱり消去してもらいたいのだが、フランソワーズが大切にしているものを奪うなんてできるはずがなく……結局、どう足掻いても自分の負け、だ。

 ならばせめて、このまま延々と自分の映像を彼女とともに見続けるという羞恥プレイだけは避けたい。

「ジョーはレース以外の仕事はほとんど請けないでしょう? だから、この映像は本当に貴重よ。ジョーのファンの子たちが、こういう映像をもっともっと見たいって思ったからこそ、再放送されることになったんでしょうし…」
「こういう映像って?」
「ジョーの私生活、とか…」
「そんなの見ても楽しくないと思うけど?」
「楽しいわよ。このテレビを観ている女の子たちは、きっと……、みんなこのコと同じように見てると思うわ」
「同じ?」
「貴方のこと、カッコイイとか…、その……」
「抱かれたい、とか?」

 真っ赤になって口篭るフランソワーズに、ジョーは彼女が言おうとした言葉をさらっと告げる。
 すると、フランソワーズはますます耳まで紅く染まる。けれども、視線はテレビに固定したまま、だ。

(さすがに……妬ける、かな)

 彼女が夢中になっているのは、テレビの中の"自分"。
 とは言え、"本人"よりも映像が優先されていることに、ジョーは少しだけ嫉妬心を抱く。

 フランソワーズが今回の仕事(放送)を楽しんで観てくれていることは嬉しいが、だからと言ってこの先、本業以外の仕事を進んで請けることはない。
 他の女性たちが自分のことをどう思おうが、正直気にならないし、興味もない。自分のことを知って欲しいとも思わない。

 自分を知って欲しいのは……
 偽らざる自分の姿を見て欲しいのは…―――

「コレ、録画してあるんだよね?」
「ええ」
「じゃ…」

 ジョーはベッドに置かれているリモコンを手に取ると、電源ボタンを押しブラックアウトさせる。

「何するのっ まだ途中な……、っっ」

 彼の予想外の行動に、フランソワーズは慌てて彼からリモコンを奪い返そうとする。
 が、抗議の言葉は彼の唇によって塞がれ…―――そのまま、一気に深く…、吐息さえ許されないほどの甘い口づけに堕とされる。

「……っ、ん……、……もうっ」

 すっかり身体の力が抜け落ちた後で、やっと唇を解放されたフランソワーズは、思いっきり拗ねた瞳で、少しも息を乱していない彼を見上げる。

「僕の秘蔵映像が観たいんだろ?」
「え? ……ええ」
「なら、たっぷり観せてあげるよ。キミだけしか観ることができない僕を、ね」






Fin











サイト『HKS』様の茶子さまよりいただきました、『Le ciel』009周年お祝い第2弾(*>_<*)!
茶子さんってば、これまた紫音風(恥涙;;;)なテイストで、倒れること必至のこぉーーーんなにキケンな美麗イラスト(ぱったり///)を描いてくださいましたっ(T-T)♪


コレ……オモテに置いてもだいじょぶですかね??///
(もう置いちゃったけど♪)
カテゴリ『Voyage』も地下仕様を新設せねばなるまいかと、思わず検討してしまうほどドキドキ///な体勢がっ、表情がっ、恰好が……っ(溶)///


わーん、フランちゃんっ!
ジョーくんの前で胸元『チラ見せ』(←ポイント)&、太腿までも大サービスだなんてっ、そんなキケンなカッコ、しちゃけませんっo(*>_<*)o!
凶悪極まりない狼(←ヒドイ)の視界に、にきょとんと可愛らしく飛び込むウサギちゃんのよーなものですっっ(T-T)///

赤らめて困るフランちゃんの表情がまためちゃくちゃ初々しい&可愛らしいものだから……ほぉら、祐浬さんのジョー(↑)が、すっかりリミッター外しちゃって……(ぐるぐるぐる)///

そしてっ、も〜〜〜……(-_-)どーです?、この島村さんの満面の笑みo(>_<)o!!
そしてこのカラダ(倒)!///
あぁんな恰好のフランちゃんを、大切&満足そうにお膝抱っこなんかしちゃって……っ、私なんぞの描く島村さんより、よっぽど悪党ですよね(真剣)!(←でもって、超誉め言葉♪)


………………………たいそう素晴らしい眼福イラストを、ごちそうさまでございました(-人-)♪(←笑)


そんな茶子さんの大感激♪なイラストに、祐浬さんが書き下ろしてくれたstoryは……はいっ、茶子さんが(私のちまい絵を);;;参考にしてくださった『Reserved』の続編となっております♪
一瞬、『当日の別ver.?』と思いきや、なんとまさかの後日談(〃▽〃)♪
いやはや、茶子さんのおかげで、祐浬さんからも嬉しいサプライズを頂戴してしまいました(踊)♪
茶子さんにも、そしてみなさまにも、楽しんでいただけたら光栄です(>_<)☆


茶子さん、前回も同じように書かせていただいてしまいましたが……素敵な素敵な009周年お祝いプレゼント、本っっっ当にどうもありがとうございます(*^-^*)♪






茶子さまの素敵なサイト『HKS』様へはこちらからどうぞ♪





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祐浬 2014/7/31