kiss
 
― Story by Shion ―



 


ゆらゆら揺れる――陽炎の中。
何だか妙に暖かくて気持ちのいいここは……夢の世界……なんだろうか。
白い霞の向こうにぼんやりと見え隠れする2つの影。
あれは……フランソワーズと……『ボク』??



椅子に腰掛けた夢の中の『ボク』がじっと向ける眼差しの中で、
現実世界と少しも変わらない、華麗で優雅な踊りを披露するフランソワーズ。

ひとつ違うところと言えば
それがまだボクが一度も見たことのないような……
とても情熱的な踊りだということ。



……?
ど……どうしたんだい、フランソワーズ?
急にそんな――艶っぽい視線でボクを……いや、夢の中の『ボク』を見つめたりして。

あ……何か……キミが『ボク』の耳元で小さく囁いてる……?
照れくさそうに微笑んだ――『ボク』の表情(かお)。
フランソワーズ、キミはいったい『ボク』に何を話しているんだい?
ここからじゃ……宙(そら)から2人の様子を見てるだけのボクには、キミの声が聴こえないよ。




……え!?
ちょっ、ちょっと待って!!

い、今の一瞬、『ボク』の頬へその可憐な唇をそっと寄せたキミの仕草って……
まっ、まさか……!!?
〜〜〜っっ!!


たっ……ただここからその光景を見下ろすことしかできないボクが
こんなにまでドキドキしてるって言うのに……っ!
夢の中の『ボク』ってば、まるで当然みたいな顔でフランソワーズからの……
その……甘いキスを受けたりして。



………。
ボクにもいつかこんな風に――キミの口づけを余裕な表情で受け止められる日が
……来るのかな///;;;





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