〜愛を信じて〜

cf:第34話 『ファラオウィルス』

― Story by Shion ―

 

 

『……私に行かせて!』

ファラオウィルスの蔓延を防ぐため、
009と008が敵の操る飛空挺へ乗り込もうとしたとき――
私は思わずそう……溢れ出す想いを唇に乗せていた。

遥か古代……何千年もの昔に謳われた、哀しき恋物語。
幼き王妃・アンケセナーメンがファラオに捧げた
別れの――そして、愛の花束。

例え表向きには政略的な結婚であったとは言え
心から大切な人とともに過ごした
短くも幸福だった日々を紡いだ想い――
汚れなき王妃の愛の証を
私はどうしてもこの手で守りたかった。

この世にあるすべてのものは
いずれ儚く消えゆく運命に抗うことはできないけれど……。
……それでも、愛する気持ちは永遠であると……
私は――信じたいから……。







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