~ Dreaming ~
 
― Story by Shion ―

 

 

何度も繰り返し奏でられる旋律が
螺旋を描きながら形を変えてゆく――




微睡みの中、ゆらゆら揺らめく淡い幻影
失われた光を求めて、闇へと堕ちてゆく魂……
逃れることも抗うことも許されないまま
瞳を開けることさえも忘れてしまった私は
この夢の続きに……捕らわれて




歪んだ幻想世界でやっと見つけ出した
愛しい栗色の髪のあなた



けれど
優しく微笑みかけてくれるあなたへどれだけこの手を伸ばしても
この手はあなたに届かなくて……
触れることが……できなくて



湖辺に漂う光と影
音は何も……聞こえない
緋色のヴェールに閉ざされた蜃気楼のように儚い幻へ
私はもう一度……そっと手を伸ばしてみる
この腕に抱きしめた追憶の破片を壊してしまわないように
もう一度……ゆっくりと……




静かな銀色の翼は今……夢幻の刻を越えて……







「ん……」
「……ごめん、フランソワーズ……起こしちゃった?」
「え……っ?」
「……フランソワーズ?」
「あ……ほ……本当に……ジョー……なの?」
「……? ど、どうしたんだい? そんなに……驚かせちゃったかな?」
「う、ううん、何でもないの……! 何でも……。それより、私ったら……いつの間に眠っちゃったのかしら……」
「30分くらい前……かな。今日は調査で能力を使い通しだったから……。きっと帰って来た途端に、どっと疲れが出たんだよ」
「30分くらい前って……や、やだ、もしかしてジョー……ずっと見てたの!?」
「ん……キミはいったい、どんな夢を見てるのかな……って思ってね」
「!! もう! ずるいわ、ジョー……!」
「どうして?」
「だ、だって……そんなの……恥ずかしいじゃない……! それに……」
「?」
「ジョーったら、夢の中でも意地悪するんだもの!」
「ええっ? ボ……ボクが!? フランソワーズ、ボクの夢を見てたの?」
「……意地悪なジョーには……ナイショよ」
「え……フ、フランソワーズっ!!」





栗色の髪の王子様……
今度は素敵な甘い夢を……見せてね……






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