Holy Night
 

― Story by Shion ―
 

†† 聖なる夜に……乾杯 ††

 

大きな大きな窓ガラスを隔てて眼下に広がる色とりどりのイルミネーションが、
まるで地上に零れ落ちた星屑のように輝いている。
イヴの夜のために着飾った鮮やかな街並みを一望できるここは、
ロイヤルホテル・最上階のスイートルーム。

そして、その部屋には――ジョーとフランソワーズが……2人きり。



「……何に乾杯しようか?」
「そうね……」

ジョーからの質問に少しだけ真剣な表情で考え込んだあと……
フランソワーズはふと恥ずかしそうに、思いついた『2度目の乾杯』の理由を彼へ告げた。

「これから始まる2人だけのクリスマスに、……じゃ、ダメかしら?」

言いながら、おずおずとジョーを見上げるフランソワーズの頬が
ほんのりと薔薇色に染まっている。
そんな彼女の愛らしい姿や仕草を瞳の中に焼き付けてしまったら……
ジョーには自分の表情を自然と優しく綻ばせるしか術はない。

「……充分だよ」

耳元で囁かれたその声に、フランソワーズの身体が一瞬ぴくんっと反応する。
……けれど、ますます熱くなってゆく心の奥底に燻る何かを抑えきれなくなってきているのは
フランソワーズだけではなかった。


それよりも、むしろ――。





揺れる瞳を絡ませ合った2人は、
どちらからともなくゆっくりと……グラスとグラスの距離を縮めてゆく。


2人だけのSweet Christmasの幕開けを告げる、美しい鐘の音を鳴らすために――。



「……Joyeux Noel, Joe」
「Joyeux Noel……」





 X'mas special secret story souhaiter』 is in "Miroir" ...
~ Story by Yuuri ~




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