~ Merry Christmas ~
for only precious ...

― Story by Shion ―


「フランソワーズ……」

 


華やかなイルミネーションに彩られた街並みを
賑やかに行き来する人込みの影に、そっと――隠れるように。

今日だけは少し……冬の空気の冷たさを言い訳にして。

「フランソワーズ……」

それは――寒さのせい?
それとも……?


ほんのりと紅く染まった彼女の耳元で、大切な女性(ひと)の名前を小さく……
……小さく囁きながら。
ボクはゆっくり――けれど、腕には微かな力強さを込めて、
彼女を包み込んでいる自分の紺色のジャンパーごと
その細く華奢な肩を抱き寄せた。

「ジっ……ジョー……!?」

一瞬、驚いた表情(かお)でボクを見つめる、透きとおった蒼い輝き。
間近に捉えたキミのすべてが、何だか眩しくて……。
――愛しくて。


「……フランソワーズ」

――抱きしめて、離さないように……
ボクはもう一度、
ボクにとってたったひとつの……
どんなときもこの心を暖めてくれる『魔法の呪文(ことば)』を繰り返す。

「あ……」


絡み合う、熱い視線。
――重なり合う、白い吐息。



そして……





Christmas Special Story
― vol.3 ―


 

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